シミの予防や治療、ニキビの治療に使用されるトレチノイン。
その詳しい成分や効果、副作用、使用方法、ハイドロキノンとの併用、購入方法、個人輸入の注意点などをわかりやすく解説します。
目次
トレチノインとは?
トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)の誘導体です。
誘導体とは、ある物質の一部を変化させ、体内に取り込みやすくしたものです。
トレチノインは、誰でも血液中にごく微量流れているので、アレルギーを起こしません。
日本ではまだ認可されていませんが、アメリカではシワやニキビの治療薬として、アメリカ食品医薬品局(FDA)が認可しており、皮膚の若返り薬として使用しています。
トレチノインとレチノールの違い
レチノールとは、ビタミンAの実際の物質名です。
レチノールが体内に取り込まれると代謝されレチナールを経てトレチノインになります。
レチノールは、トレチノインより皮膚に対する作用が弱く、化粧品などのなかには、医薬部外品としてレチノールを配合しているものもあります。
一方でトレチノインは医療用医薬品に分類されるため、医師の処方がなければ入手できません。
トレチノインの生理活性(体への作用)は、レチノールの10~100倍とされています。
成分 | 区分 | 生理活性 | 効果 | |
トレチノイン | ビタミンA誘導体 | 医療医薬品 | 10~100 | 高い |
レチノール | ビタミンA | 医薬部外品 | 1 | 弱い |
トレチノインの美容的効果
トレチノインには、以下のようにさまざまな効果が認められています。
表皮細胞のターンオーバーの促進
皮膚は、大きく分けて一番上から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。
表皮の細胞は表皮の一番深い層(基底層)で生まれてから、少しずつに表面に押し上げられ、やがて角質となり、最後は垢として皮膚からはがれます。
そのサイクルは通常で約2か月です。
トレチノインを使用すると、このサイクルが短くなります。
シミの原因のメラニンが表皮細胞ある場合、トレチノインで細胞の分化成長が早くなり、メラニンが早く排出されます。
これが、トレチノインの漂白効果の作用メカニズムです。
トレチノインの効果は大変強く、シミの漂白治療の中心的な役割を果たします。
トレチノインとハイドロキノンの併用
トレチノインは、ハイドロキノンと併用することで、新しくできる表皮の細胞が、メラニンの少ない細胞になるため、トレチノインはハイドロキノンとの併用療法が推奨されています。
併用する場合は、トレチノインを先に塗りましょう。
ターンオーバーを促すトレチノインを先に塗ると、ハイドロキノンがより浸透し、併用の効果を高めます。
トレチノインの刺激が強い場合には、ハイドロキノンを先に塗ります。
※ハイドロキノンについては、別に解説した記事がありますので、ご参照ください。
コラーゲンの生成を促す
トレチノインは、真皮にあるコラーゲン繊維をつくる細胞を活性化させ、肌の弾力を保ち、肌のシワやたるみを防ぐコラーゲンの生成を促します。
角栓を剥がし、皮脂腺の機能を抑制しニキビを治す
ニキビは、毛穴がつまり、皮脂の分泌が増えることでできます。
トレチノインには、毛穴のつまりの原因となる角栓を剥がし、皮脂腺の機能を抑制する働きがあるため、ニキビに効果があります。
傷の治りを早める
トレチノインには、新しい血管の造成を誘導する作用があります。これにより傷の治りを早めます。
インドの製薬メーカーであるサンファーマが製造販売する床ずれの治療薬オルセノン軟膏にもトレチノインが含まれています。
トレチノインは組み合わせ次第で相乗効果を期待できる
トレチノインは、以下の他の医薬品(成分)と組み合わせることで美肌や、ニキビ改善目的において、さらなる効果が期待できます。
ここでは概要を記載しますので、各医薬品の詳細は別記事を参照して下さい。
ハイドキノンは、シミのもとになるメラニンの生成を防ぎ、メラニンが生まれるメラノサイトという細胞そのものの数を減らすことで、シミ治療に効果があります。トレチノインとともに用いることで肌に浸透しやすくなり、より効果を発揮します。
シナールはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウムを有効成分とする医薬品です。
抗酸化作用、抗炎症効果、皮膚の新陳代謝の活性化などさまざまな効果があり、ニキビや吹き出物、赤みなどの皮膚トラブルを緩和し、健やかな肌や髪を維持します。
ハイチオールはL-システインを有効成分とする医薬品です。
L-システインはシナールと同様にシミの予防やシミを薄くする働きがあります。
さらに肌のターンオーバーを促進する働きがあるため、美肌に効果的です。
トラネキサム酸にはメラニン色素の生成を抑えたり、炎症を抑える作用があるため、シミを抑える働きのほか、そばかす、肝斑、老人性色素斑、傷などの色素沈着にも効果があると言われています。
トレチノインの副作用と注意点
レチノイド皮膚炎
トレチノイン配合薬を塗ると、肌のターンオーバーが加速し、角質の排出が活発になるため、皮剥け(落屑)が起きます。
さらに、角質が剥がれることで、肌のバリア機能が低下するため、刺激を感じやすくなり赤みや痒み、乾燥症状もみられます。
使用開始から約6週間以内に生じやすく、注意が必要です。
もし、皮膚炎になってしまった場合は、使用を中止し、ステロイド外用などの治療が必要になります。
ステロイドを外用すると、トレチノインの効果が減弱すると言われており、軽度であれば使用せずに経過をみることもあります。
皮膚炎になった場合は、自己判断せずに主治医と相談するようにしましょう。
妊娠中、妊娠の可能性がある方、授乳中の方は使用不可
トレチノインは、塗り薬ですが胎児に奇形を生じさせるリスクを否定できません。
そのため妊娠中や妊娠の可能性がある方、授乳中の方は使用できません。
海外製品の個人輸入に注意
ハイドロキノンを含むとする海外製のクリームを使用した人に健康被害が発生した例があります。
品質が不明確な海外製品を個人輸入するのではなく、医療機関で診察を受け処方してもらうようにしましょう。
参考リンク
トレチノインのよくある質問
トレチノインについてよくある質問とその回答を以下のようにまとめました。
海外から個人輸入したトレチノインは安全ですか?
回答:品質が不確かで健康に悪影響を及ぼす恐れがあるため個人輸入は控えましょう。
妊娠中でもトレチノインは使えますか?
回答:胎児に奇形を及ぼす恐れがあるため、ご使用いただけません。妊娠中の方だけでなく、妊娠の可能性がある方、授乳中の方も使用できません。
お化粧はできますか?
トレチノインはどのくらいで効果がでますか?
トレチノインは顔全体に塗っても大丈夫ですか?
トレチノイン使用中に保湿剤を塗っても大丈夫ですか?
トレチノインを長期間使用しても問題ないですか?
トレチノインの入手方法
トレチノインを含む市販薬はありません。医療機関で診察を受け処方してもらう必要があります。
個人輸入で手に入れる方法もありますが、品質が不明確でかつ、トレチノインには副作用もあるため個人輸入はおすすめできません。
医師薬剤師の指導のもと使用することが安全です。
しかし忙しく、病院に行き薬局でトレチノインを含んだ医薬品を買う時間が確保できない方も多いと思います。
そんな方にオススメなのが、弊社のMedDirect(メドダイレクト)です。
メドダイレクトでは、トレチノインを含む医薬品を、予約から診察、処方、お届けまで全てオンラインで、時間や場所を気にせず、いつでもどこでも気軽に購入することができます。
さらに、トレチノインだけでなく、上記のハイドロキノンやハイチオールなど相乗効果を期待できる医薬品とセットで購入できるため大変オススメです。
※美容目的の処方のため保険適用外の自由診療となりますが、MedDirect(メドダイレクト)は初診料、再診料、処方料が無料で、お薬代と送料のみのご負担でリーズナブルにご利用いただけます。
メドダイレクトでのトレチノインをを含む処方プランと料金
メドダイレクトでは「ニキビ痕改善」プラン内でトレチノイン0.0025%をビタミンCとL-システインのサプリメント、ユベラ、ハイドロキノンとともセットで処方しております。
料金は、30日分で初回が16,030円、2回目以降が14,730円です。※税込み
メドダイレクトではこのほかにもさまざまなプランをご用意しておりますので、詳細は、MedDirect(メドダイレクト)取り扱い医薬品をご覧ください。
トレチノインのまとめ
・トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)を体内に取り込みやすくしたもので、米国ではシミ、シワやニキビの治療薬として用いられる。
・医療用医薬品のための原則として購入には病院で処方してもらう必要がある。
・皮膚の表皮細胞のターンオーバーを促進し、シミのもとになるメラニンを早く排出する。
・シミ治療において、ハイドロキノンと併用すると高い効果を発揮する。
・コラーゲンの生成を促す、角栓をはがし、皮脂腺機能を抑制することでニキビを治す、傷の治りを早めるなどの効果もある。
・トランサミンやシナールなどと組み合わせるとさらに効果が期待できる。
・皮膚のターンオーバーが加速することで角質の排出活発化し赤みやかゆみ乾燥などのレチノイド皮膚炎が起こることがある。
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