ダイエット効果があるとされる漢方薬・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)。
その詳しい成分や効果、副作用、医療用と市販薬の違い、購入方法などをわかりやすく解説します。
目次
防風通聖散とは?
病院で処方する医療用医薬品だけでなく、ドラッグストアなどで購入できる市販薬もあります。
いずれも含まれる有効成分は同じですが、市販薬は医療用に比べ含まれる有効成分の量が少ないです。
防風通聖散は、中国の金時代(1115~1234年)に活躍した医師劉完素(りゅうかんそ)が著した黄帝素問宣明論方(こうていそもんせんめいろん)」(1172年)に記された薬です。
名前の防風とはメインで配合されている防風から、通聖とは優れた人の意味から、防風をメインで用いた素晴らしい薬という意味が込められています。
漢方薬とは?
漢方薬とは漢方医学で用いる薬です。
漢方医学は、中国を起源とする日本の伝統医学で、中国から直接あるいは朝鮮半島経由で伝来し、日本で独自の発展を遂げました。
江戸時代中期にオランダ(阿蘭陀)から入ってきた医学を蘭方と呼んだため、従来の日本の医学を蘭方と区別して、漢方(中国・漢に由来)と呼ぶようになりました。
漢方薬は、生薬という自然界に存在する植物、動物や鉱物などの薬効となるものを、通常は複数組み合わせます。
防風通聖散の有効成分
防風通聖散には、防風(ボウフウ)、黄芩(オウゴン)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、麻黄(マオウ)、石膏(セッコウ)、白朮(ビャクジュツ)、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)、桔梗(キキョウ)、山梔子(サンシシ)、芍薬(シャクヤク)、当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、薄荷(ハッカ)、滑石(カッセキ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)の生薬18種が含まれています。一つ一つ解説します。
防風(ボウフウ)
防風は、セリ科ボウフウの根および根茎で、主要成分はクマリン誘導体です。発汗と解熱作用があります。
黄芩(オウゴン)
黄芩は、シソ科コガネバナの周皮を除いた根で、主要成分はバイカリンです。便秘を改善する緩下作用と、抗炎症作用があります。
大黄(ダイオウ)
大黄は、タデ科ダイオウの根茎で、主要成分はセンノシドです。血行を良くする駆瘀血(くおけつ)作用があります。
芒硝(ボウショウ)
芒硝は、硫曹石を再結晶させ生成したもので、主要成分は硫酸ナトリウムです。排便を促す瀉下作用、炎症を含む身体的な熱感や精神的な焦躁感などの亢進症状を抑える清熱作用があります。
麻黄(マオウ)
麻黄は、マオウ科マオウの地上茎で、主要成分はエフェドリンです。咳を抑える鎮咳作用や去痰、解熱作用があります。
石膏(セッコウ)
石膏は、天然の含水硫酸カルシムです。清熱や鎮咳作用があります。
白朮(ビャクジュツ)
白朮は、キク科オケラの根茎またはオオバナオケラの根茎で、主要成分はアトラクチロンです。利尿作用や、唾液や胃液の分泌を促す健胃作用があります。
荊芥(ケイガイ)
荊芥は、シソ科ケイガイの花穂で、主要成分はメントンです。鎮痛や解熱の作用があります。
連翹(レンギョウ)
連翹は、モクセイ科レンギョウの果実で、主要成分はフォルシチアシドです。消炎や解毒の作用があります。
桔梗(キキョウ)
桔梗は、キキョウ科キキョウの根で、主要成分はプラチコジンDとイヌリンです。鎮咳作用や去痰作用があります。
山梔子(サンシシ)
山梔子は、アカネ科クチナシの果実で、主要成分はゲニポシドです。胆汁の分泌を促し、脂肪の消化吸収を助ける利胆作用があります。
芍薬(シャクヤク)
芍薬は、ボタン科シャクヤクの根で、主要成分はペオニフロリンです。鎮痛とけいれんを抑える鎮痙(ちんけい)の作用があります。
当帰(トウキ)
当帰は、セリ科トウキまたはホッカイトウキの根を通例、湯通ししたもので、主要成分はリグスチリドです。血を補う補血作用に、鎮痛作用があります。
川芎(センキュウ)
川芎は、セリ科センキュウの根茎を通例、湯通ししたもので、主要成分はクニジリドです。補血作用と鎮痛作用があります。
薄荷(ハッカ)
薄荷は、シソ科ハッカの地上部でミントのことです。発汗させ体を冷やす効果があります。
滑石(カッセキ)
滑石は、含水ケイ酸アルミニウム及び二酸化ケイ素からなる鉱物で、主要成分は加水ハロサイトです。清熱と利尿作用があります。
生姜(ショウキョウ)
生姜は、ショウガ科ショウガの根茎、ときに周皮を除いたもので、主要成分はギンゲロールとショウガオールです。いわゆるショウガです。汗をかいてさまざまな症状を改善する発汗解表作用や、解毒作用があります。
甘草(カンゾウ)
マメ科ウラルカンゾウまたはスペインカンゾウの根およびストロンで、主要成分はグリチルリチン酸です。去痰、鎮咳作用があります。
防風通聖散のダイエット効果
見てきたように、防風通聖散には多くの生薬が含まれている漢方薬です。以下のようにさまざまな作用があるためダイエットに高い効果が期待できます。
脂肪の分解と燃焼
防風通聖散に含まれる防風と麻黄は、交感神経を刺激して脂肪細胞を活性化させ脂肪を燃焼させます。
さらに甘草、荊芥、連翹(レンギョウ)は、活性化された脂肪細胞の状態を維持する作用があるため、脂肪燃焼の持続効果も期待できます。
食欲抑制
横浜市立大学の研究で防風通聖散には、食欲を増進させるホルモンのグレリンの働きを抑えることがわかりました。
過剰な食欲が抑えられるため食べ過ぎを防ぎ、ダイエットをサポートする効果が期待できます。
代謝の促進と利尿作用でむくみ改善
防風通聖散は、発汗作用や血行促進作用によって老廃物を体外に排出し、代謝を改善させます。
特に防風には発汗作用、血行促進作用、解熱作用があり、身体の引き締めにも効果的です。
麻黄も血行促進作用があり、体の冷えを解消し、むくみの改善を促します。
また、防風通聖散に含まれる滑石には、利尿作用があり、これもむくみの改善を助けます。
消化器に停滞した水分を温めて動きやすくする生姜にも、痩せる効果が期待できます。
血行促進
漢方医学では、血行や水が滞ることが肥満の原因の一つであると考えます。
防風通聖散に含まれる大黄が血行を良くし、生姜が体を温め血行を改善することでダイエットにつながります。
便秘改善
防風通聖散に含まれる大黄は、古くから便秘改善に使われてきた歴史ある生薬で強い薬効から将軍とも呼ばれます。便秘の改善でお腹周りの張りも解消を助けます。
また、食事で摂取した余分な脂質を便とともに排泄する効果もあります。
防風通聖散と内臓脂肪減少薬「アライ」との違い
食事で摂取した余分な脂質を便とともに排泄する薬としては、大塚製薬が2024年4月に発売し話題となった内臓脂肪減少薬アライがあります。
アライはオルリスタットを有効成分としています。
食事中に含まれる脂肪はすい臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによって消化され体内に吸収されます。
オルリスタットは、このリパーゼの働きを妨げ食事由来の脂肪の吸収を妨げます。食事中の脂肪の約25%が便として排泄します。
画期的な医薬品ですがアライ特有の事象として、便が油っぽくなることや便が近くなる、腹が張る、下痢、腹痛、おならをすると便がもれる、気づかないうちに油が肛門からもれることがあります。
これらの症状は薬が効いている証ですが、症状が長く続いたり、強まったりした場合は、服用をやめて医師薬剤師に相談してください。
参考リンク:内臓脂肪減少薬「アライ」|公式ブランドサイト
防風通聖散が適している人
漢方薬は、同じ症状、同じ目的で使う場合でも、体質によって適している薬が違います。
防風通聖散は、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方に適した漢方薬です。
反対に、皮下脂肪が少なく下痢をしやすい人には適していません。
防風通聖散は組み合わせ次第で相乗効果が期待できる
防風通聖散は、以下の他の医薬品(成分)と組み合わせることで、さらなるダイエット効果が期待できます。
ここでは概要を記載しますので、各医薬品の詳細は別記事を参照して下さい。
ルセフィは、腎臓のSGL2というたんぱく質の働きを阻害して、血液中の余分な糖分が脂肪に変わる前に、尿と一緒に排泄させる処方箋医薬品です。
防風通聖散の副作用や注意点
防風通聖散の副作用としては、胃の不快感や食欲不振、吐き気、下痢、排尿障害、動悸、発汗過多、不眠、発疹、かゆみなどがあります。
また成分のひとつである甘草を含む漢方薬全般に共通する副作用として、偽アルドステロン症があります。
手足のだるさやしびれ、つっぱり感、こわばり、力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛などが生じます。
これらの症状が現れた際は、服用をやめて医師薬剤師に相談してください。
防風通聖散の市販薬と処方薬の違い
防風通聖散にはドラッグストアなどで買える市販薬と、医療機関で処方してもらう医療用医薬品があります。大きな違いは成分量です。
市販薬は不特定多数の方が服用するため、安全性を優先し医療用のものの50~80%の成分量で作っています。
より効果を得たい方は、医療機関で医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
成分量 | 効果 | 副作用 | |
市販薬の防風通聖散 | 医療用の5~8割 | 弱い | 穏やか |
医療用の防風通聖散 | 高用量 | 強い | 強い |
防風通聖散のよくある質問
防風通聖散についてよくある質問とその回答を以下にまとめました。
妊娠中でも防風通聖散を服用できますか?
回答:妊娠中、妊娠の可能性のある方、授乳中の方は事前に医師薬剤師に相談してください。
防風通聖散を飲み始めてからどのくらいで効き目が現れますか?
防風通聖散を飲むと下痢になりますか?
防風通聖散が向かない人はどんな人ですか?
防風通聖散を長期間服用しても大丈夫ですか?
防風通聖散をやめたらリバウンドしますか?
防風通聖散の入手方法
医療用医薬品の防風通聖散は、市販薬よりも多くの有効成分を摂取することができ、より効果を期待できる医薬品ですが、購入するには、原則として医師の診察を受け処方してもらう必要があります。
しかし忙しく、病院に行き薬局で防風通聖散を買う時間が確保できない方も多いと思います。そんな方にオススメなのが、弊社のMedDirect(メドダイレクト)です。
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さらに、防風通聖散だけでなく、上記のルセフィなど相乗効果を期待できる医薬品とセットで購入できるため大変オススメです。
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メドダイレクトでの防風通聖散を含む処方プランと料金
メドダイレクトでは、防風通聖散を含む処方プランを「短期ダイエット脂肪燃焼プラン」と「短期ダイエット糖質カット+脂肪燃焼プラン」の2つをご用意しております。
短期ダイエット脂肪燃焼プランは、防風通聖散30日分を初回3,930円、2回目以降が2,630円で処方しております。
短期ダイエット糖質カット+脂肪燃焼プランは、防風通聖散とSGLT2阻害薬のルセフィをセットで30日分を、初回13,150円、2回目以降を11,850円で処方しております。
いずれも税込価格です。
メドダイレクトではこのほかにもさまざまな処方プランをご用意しております。詳細は、MedDirect(メドダイレクト)取り扱い医薬品をご覧ください。
防風通聖散のまとめ
・防風通聖散は肥満症に効く漢方薬
・中国で1200年頃に考案された薬
・市販薬より処方薬の方が有効成分が多く、高い効果が期待できる
・脂肪分解と脂肪燃焼、食欲抑制、代謝促進、利尿作用、むくみ改善、血行促進、便秘改善などの効果がある
・ルセフィなどの薬と組み合わせると相乗効果を発揮する
・胃の不快感、食欲不振、吐き気、動悸、発疹などの副作用がでることがある
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